屋根の豆知識

雨漏りについて!!

経年変化により老朽化した建物に多く発生する雨漏り。
確かに、老朽化による屋根の瓦のずれ・割れ、下地防水シートの劣化が原因のことも多いのですが、屋根からではなくサッシや壁から、また最近では住宅の高気密化が進んだことで、小屋裏の湿気が結露となって雨漏りとなる事例も多くなってきました。

日降水量10mm以上の日が80.6日と、日本で最も雨の日が多い石川県(2位3位は富山県、福井県)。雨漏りについて知っておいても損はありません!

■屋根からの雨漏りのしくみ

老朽化による瓦のずれ・割れ、下地防水シートの劣化が原因となる屋根からの雨漏り。瓦の割れやずれが起こったとき、いったい屋根はどうなっているのでしょう?

屋根瓦の下には防水シートが張られています。
屋根瓦が割れたとしても、この防水シートが野地板への雨水の浸入を防いでいます。なのですぐに雨漏りがおこることはありません。
ところが屋根瓦が割れたりずれたりして、この防水シートがむき出しになってしまうと、必要以上に防水シートの性能劣化が進んでしまい、ゆくゆくは雨漏りが起こってしまうのです。

また雨漏りによる水の浸入は、実は風によって下から上へと水が押し上げられたことによるものが多く、たとえ大雨でなくてもある日突然発生するといった事例も多く見受けられます。

■谷板の穴…原因は酸性雨

屋根の谷部分は、屋根に降る雨水が集まってくる部分なので、もし雨漏りの原因が谷部分だった場合、その被害は大きいものになります。
谷板には施工のしやすさから昔から「銅板」がよく使われてきましたが、酸性雨などの影響でこの銅板の谷板に穴が空いてしまって雨漏りが起こるケースが近年では多く見られます。
弊社では、銅板ではなく「ステンレス製」の谷板で施工しておりますので交換すれば安心です。

↑谷板に穴が空いています。
↑谷板に穴が空いています。
↑谷板に穴が空いています。

■棟瓦のズレ

大棟は屋根の頂点にある水平の棟であり、人が建物の屋根を見る場合、視線はまず大棟にいくと言われています。棟は屋根の施工で仕上げにあたるもの。美的観点からも重要な部位です。
平葺きや他の部位の施工がしっかりしていても、棟瓦が傷んだりズレたりすると雨漏りの原因となります。

↑棟のセメントがはがれています。
↑棟のかべ土が流れて、ずれや沈みが生じています。
↑棟がずれています。
↑棟がずれています。

■屋根が原因じゃない雨漏りも!

昔の雨漏りは空に面した“屋根”でおこることが多かったのですが、最近ではサッシや壁、また住宅の高気密化が進んだことで小屋裏の湿気が結露となって雨漏りとなっている事例もみられます。

とはいえ、屋根は雨風や積雪・紫外線など、天侯の影響を1年中受け続けている部分。自分では点検する事が難しく、気づいた時には被害が予想以上に進んでしまっている場合もしばしば。
建物の老朽化を避けることはできませんが、台風やその他暴風雪などに遭遇した際は、注意深く屋根を見あげてみて下さい。

また例えば、海の近くなどで金属屋根を用いるなど、周囲の環境に適さない建築材を用いていると塩害などによる劣化の進行が早くなり、雨漏りが起こりやすくなりことがあるのでよりいっそうの注意が必要です。

雨漏りが起こると、カビや白アリが発生し大切な家を傷めてしまうだけでなく、健康被害を引き起こしてしまったりする可能性も。
クロスがめくれてきたり天井にシミが出てきたら、それは雨漏りのサイン・お家からのSOSのサインかも。お気づきの際は、ぜひ山瓦にご相談ください。